医師と心臓の病気

心臓は‘心筋’という特殊な筋肉によってできており、生命活動を維持する上で最も重要な臓器です。心臓は一生休むことなく働き続け、1日に約10万回、1年間で4,000万回の収縮と拡張を繰り返して全身に血液を送っています。この心臓のポンプ機能によって送り出される血液の量は1分間に約5リットル、1日で7,000リットルにもなります。一般的に激しい運動をすると次の日に痛みを感じるように、筋肉は酷使をすると筋繊維が損傷して筋肉痛を生じます。しかし心臓の筋肉である心筋は、1日に約10万回というハードな運動をこなしても筋肉痛を起こさない特殊な性質を持ち、この疲労しない心臓の性質は、栄養を送り込む冠動脈が支えています。

生命を司る心臓の病気には、心臓に血液を送る冠動脈の狭窄や閉塞が起きる「狭心症」、心筋に酸素や栄養分を送り込む血液の流れが止まる「心筋梗塞」、心臓のポンプ機能が上手く働かなくなる「心不全」、一定のリズムで血液を送ることができなくなる「不整脈」などがあります。

心臓の病気によって亡くなる人の数は年間で約18.9万人に上り、狭心症・不整脈・心不全・動脈瘤・心臓肥大・心筋症など多々ある心臓疾患の中でも特に死亡率が高いのが、急性心筋梗塞(年間4万人以上死亡)で心臓疾患全体の22.5%です。

心筋梗塞は心臓の筋肉に酸素や栄養分を送るためのルートである冠動脈が詰まり、血液の流れがストップしてしまう病気です。心筋梗塞で発作を起こした場合には、発症から6時間以内の治療が鉄則と言われており、治療が遅れると生命を落とす危険があり、例え助かっても重い後遺症を抱えるリスクが高くなります。心筋梗塞は病状の進行度によって薬物療法や、直径1.5〜2m程どの細い管(カテーテル)を静脈から挿入し、直接冠動脈内の血行を改善させるカテーテル治療を行います。カテーテル治療は心臓にメスを入れずに治療が行えるため、患者さんの心身的負担を最小限に抑えることができ、狭心症・心筋梗塞の代表的な治療法となっています。心筋梗塞は、その前段階にあたる狭心症の状態で発見・根治治療するのが理想的です。冠動脈の狭窄が広範囲に及んでいる場合や、カテーテル療法での治療が難しい場合には外科的手術を必要とします。

心臓の病気を根治するためには、心臓に酸素や栄養を送る血流を正常化する冠状動脈バイパス手術、血流の逆流を防ぐ弁膜症手術、心疾患のために壊死した部分の除外や形成しなおすことで心臓のポンプ機能を高める左形成手術など様々な心臓の手術が行われます。こうした心臓の手術はほとんどが大々的な外科手術でありケースによっては緊急性を要し、人工心肺を使って心臓を止める措置を必要とします。

このような様々な病気の治療について、臨床で治療にあたっている医師はもちろん、新薬開発など研究医として治療に従事する医師もいます。次の活躍のステージとして研究医を考えている医師の方は、研究医の求人サイトなどを使ってみると良いと思います。

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